ウォーターワン クリアが執筆しています
近年、環境問題のひとつとして世界的に注目を集めているのが「マイクロプラスチック」です。海や川に流れ込んだプラスチックが細かく分解されることで発生するもので、自然環境や生態系、さらには人々の健康にまで影響を及ぼすと指摘されており、誰にとっても決して他人事ではありません。
しかし、小さなものであるがゆえに回収がとても難しく、これ以上汚染を進めないために各国で様々な取り組みを進めています。そこでこの記事では、マイクロプラスチックがなぜ発生するのかという基本からマイクロプラスチックの種類、与える影響、各国の取り組み、そして私たちが日常生活でできる削減方法について解説します。
プラスチックごみ削減にも役立つ、環境にもやさしい浄水型ウォーターサーバー!ウォーターワン クリア公式HPを見る
マイクロプラスチックとは?

マイクロプラスチックとは、直径5mm以下の小さなプラスチック片の総称です。「マイクロプラスチック」という言葉が創られたのは2004年といわれていますが、愛媛大学の研究によると1960年にはすでに海底にまでマイクロプラスチックが到達していたことがわかっています※1。
富山県内の海岸での調査によると、マイクロプラスチックの素材の割合は
- レジ袋や食品容器などに使われているポリエチレン系:約37%
- 食品トレイやカップ麺容器などに使われているポリスチレン系:21%
- 洗剤ボトルや台所用品などに使われているポリプロピレン系:19%
- その他:23%
となっています。
これらの素材が紫外線や海の波によって細かく分解され、小さなマイクロプラスチックとなるのです※2。現在、マイクロプラスチックは海や川、土壌、大気などあらゆる環境でその存在が確認されています。前述したように発生源はペットボトルやビニール袋などの日用品から工業製品まで、人間の生活と密接に関わっているものばかりです。
人の健康に及ぼす影響に関しては未解明の部分が多いといわれているものの、目に見えにくいため知らないうちに体内に取り込んでしまい、消化器系や内分泌系、免疫系に悪影響を与える可能性があるといわれています。
マイクロプラスチックの種類
マイクロプラスチックには「一次」と「二次」の2種類があります。いずれも5mm以下のプラスチックという点は同じですが、発生源が違うことから分けて考えられています。
一次的マイクロプラスチック

製品の製造段階から5mm以下のサイズで作られたプラスチックのことを指します。具体的には、洗顔料や歯磨き粉のスクラブ、研磨剤に使用されているマイクロビーズなどが挙げられます。工業用途の研磨剤や洗浄剤に用いられているため、工業排水を通じて環境中に流出するリスクがあります。近年では規制が進んでおり、代替素材の利用が推奨されています※3。
二次的マイクロプラスチック

ペットボトルやレジ袋、発泡スチロールなど、もともとは大きなプラスチック製品だったものが紫外線や海の波による摩耗などによって細かく砕けたものを指します※3。一般的なプラスチックは細かくはなるものの自然界で分解されることはないとされ、長期間にわたって環境中に残留することが問題となっています。近年では、微生物によって分子レベルまで分解され、最終的に二酸化炭素と水になる「生分解性プラスチック」の開発が進められています※4。
マイクロプラスチックが与える影響
各国でマイクロプラスチックに注目が集まっているのは、その影響が多岐にわたるためです。ここでは、マイクロプラスチックが海水や生態系にどのような影響を与えるのかを解説します。
海水への影響

マイクロプラスチックは世界中の海水から検出されており、海洋汚染の主な原因のひとつとされています。大量のマイクロプラスチックが海水中に漂うことで透明度を下げて光合成を妨げる要因となるほか、美しい景観を崩す要因にもなりかねません。また、海洋酸性化と相まって海の環境バランスを崩すリスクが懸念されています。
SDGsの目標に「14:海の豊かさを守ろう」という項目があるように、マイクロプラスチック問題は世界的に取り組まなければならない問題ですが、なかでも日本周辺海域のマイクロプラスチックは北太平洋の16倍、世界の海の27倍もの量があると報告されています※5。日本がプラスチックごみを発生させているだけではなく、海流に乗って流れ着いているという要因もあるのでしょう。いずれにしても、他海域と比べて極めて多いため、日本海周辺は「マイクロプラスチックのホットスポット」ともいわれています。
生態系への影響

マイクロプラスチックは5mm以下のものと定義付けられていますが、数mmから目に見えない1μm(マイクロメートル)のものまで含まれるため、非常に幅広いサイズがあります。そのため、魚や貝などの小さな海洋生物が誤って摂取してしまい、体内に蓄積されることが確認されています。具体的にどのような影響を与えるのかについてはまだはっきりと分かっていませんが、消化器官への物理的ダメージや付着している有害物質の影響が懸念されています。
プラスチックに使われる添加物には有害性が指摘されているほか、そもそもプラスチック自体が化学物質を吸着しやすいという特徴があるため、生物内でどのような影響を及ぼすかは未知数です。さらに、小さな海洋生物がマイクロプラスチックを摂取したのちに食物連鎖を通じて生態系全体に悪影響を及ぼす可能性も考えられます※6。
人体への影響

海産物を通じて人間の体内にもマイクロプラスチックが取り込まれることは、すでに研究で明らかになっています。長期的な健康リスクについてはまだ解明されていませんが
- 有害物質が体内に入り、腸壁に炎症を引き起こす可能性
- 内分泌系や免疫系の乱れを招く可能性
- 肺炎症を起こし喘息や癌などを引き起こす可能性
- 血管内に溜まり、心臓発作や脳卒中のリスクを高める可能性
- 脳に蓄積して認知症に関与している可能性
などが示唆されています※3。
尿や便などで排出されるかもしれませんが、体内から完全に排出されるかどうかはまだ明確にはなっていません。いずれにしても目に見えないものの摂取を防ぐことは難しいので、マイクロプラスチックがこれ以上増えないよう取り組んでいくことが重要だといえるでしょう。
マイクロプラスチックを減らすための取り組み
マイクロプラスチック汚染は世界各国に急速に広がっており、現在、地球規模での対策が必要だと考えられています。危機感が高まるなか、未来の汚染ゼロを目指して各国で様々な取り組みが行われています。
日本の取り組み

現在、日本ではマイクロビーズを含む化粧品の製造規制や、プラスチックごみ削減のためのレジ袋有料化が進められています。また、現在日本の廃プラスチックのリサイクル率は27.8%で、残念ながらリサイクルはまだあまり進んでいません。
そこで
Reuse(リユース):詰め替え用などを活用し、ボトルは再使用する など
Recycle(リサイクル):プラスチックを分別回収して再利用する など
の3Rを進めることで、海のプラスチックごみの削減を図っています。環境省を中心に地方自治体や企業が連携しながら、啓発活動や回収システムの強化が進められています※7。
海外の取り組み

欧米では早くからマイクロビーズの禁止が進められており、国際的な規制が整備されつつあります。例えば、プラスチックストローやカトラリーの使用制限など、日常生活に直結する施策も導入されており、各種削減や市場規制も次々に進められています。例えば、各国におけるマイクロビーズへの取り組みは以下の通りです。
- 米国:マイクロビーズを含むリンスオフ化粧品を2017年に製造禁止
- 韓国:マイクロビーズを含む化粧品を2017年に製造禁止
- フランス:マイクロビーズを含むリンスオフ化粧品を2018年に製造禁止
- イギリス:マイクロビーズを含む化粧品、衛生用品を2018年に製造禁止
- 台湾:マイクロビーズを含む化粧品、洗浄剤を2018年に製造禁止
- ニュージーランド:マイクロビーズを含むリンスオフ化粧品、マイクロビーズを含む車や部屋等の洗浄剤を2018年に製造禁止
- カナダ:マイクロビーズを含む歯磨き粉、洗面剤等、自然健康製品を2018年に製造禁止
このように、国際的な枠組みでプラスチック削減を目指す動きが強まっています※8。
日々のマイクロプラスチックの削減のために「ウォーターワン クリア」の活用がおすすめ

回収が難しいマイクロプラスチックを増やさないためには、一人ひとりが普段の生活からプラスチックごみを減らす意識づけを行う必要があります。ペットボトル飲料はとても便利ですが、日常的な購入はマイクロプラスチックの発生源を増やす一因だといえるでしょう。そこでぜひ導入をおすすめしたいのが浄水型ウォーターサーバー『ウォーターワン クリア』です。
『ウォーターワン クリア』は水道水を注ぐだけで使える浄水型ウォーターサーバーで、2段階の高性能フィルターでトリハロメタンや残留塩素、PFASなどの不純物を除去し、雑味のない美味しいお水に変えることができます。ペットボトルを使わないためプラスチックごみ削減に貢献できるうえ、水道水を注ぐだけなのでペットボトルのミネラルウォーターを購入するよりもリーズナブルに利用できます。日々の水分補給を環境にも健康にもやさしく行える『ウォーターワン クリア』を、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
プラスチックごみ削減にも役立つ、環境にもやさしい浄水型ウォーターサーバー!ウォーターワン クリア公式HPを見る
参考文献
- ※1:愛媛大学「別府湾海底堆積物が語る過去75年間の海洋マイクロプラスチック汚染の歴史」
- ※2:環日本海環境協力センター「マイクロプラスチックって何?」
- ※3:一般社団法人 日本バルブ工業会「マイクロプラスチックが人体に与える悪影響」
- ※4:DNP「生分解性プラスチックは環境に良い? 問題点やデメリットに迫る」
- ※5:千葉商科大学「海が汚染され、海の生物も人も危ない! マイクロプラスチック汚染問題とは」
- ※6:日本財団ジャーナル「【増え続ける海洋ごみ】マイクロプラスチックが人体に与える影響は?東京大学教授に問う」
- ※7:政府広報オンライン「海洋プラスチック問題は海洋汚染の要因にも きれいな海と生態系を守る!「プラスチック・スマート」キャンペーン」
- ※8:環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」




