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日本における岩盤浴の発祥は秋田県の玉川温泉といわれ、江戸時代には多くの人が湯治に訪れていたそうです※1。そんな岩盤浴も今では一般的に知られるようになり、サウナと岩盤浴が併設されている温浴施設も珍しくなくなりました。体の芯からじんわり温まり、汗をたくさんかく感覚が好きだという方も多いのではないでしょうか。
岩盤浴には「痩せる」「肌がきれいになる」といった期待がある一方で、実際の効果が分かりにくいのも事実です。そこでこの記事では、岩盤浴を継続した場合に期待できる変化や現実的な効果、注意点、正しい続け方を分かりやすく解説します。
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岩盤浴を続けた結果どうなる?主な変化とは

体を温め、たくさん汗をかくと健康に良い印象がありますが、実際はどうなのでしょうか。まずは、岩盤浴を継続することで期待される体の変化について解説します。
代謝が上がり「痩せやすい体質」に近づく
体温と基礎代謝には大きな関係があるといわれ、体温が上がると基礎代謝が活発になり、痩せやすく太りにくい体になるとされています※2。岩盤浴は温めた天然鉱石から発せられる遠赤外線で体を内側から温め、代謝の活性化をサポートします。その結果、脂肪燃焼しやすい状態を作ることができると考えられています。ただし、岩盤浴だけで大きく痩せるわけではなく、長く続けることによる体質改善の側面が強いといえるでしょう。
冷え性・むくみの改善
岩盤浴でじっくり体を温めることで血行が促進され、手足の冷えの緩和効果が期待できます。血行促進により、全身に新鮮な酸素と栄養を行き渡らせることができるため、むくみやだるさの軽減につながるケースも多く見られるようです。しかし、再び体が冷えるとこの効果は失われてしまうため、継続することで体のめぐりが整いやすくなります。
肌の調子が整いやすくなる
汗には皮膚や毛穴の汚れを洗い落とすほか、抗菌力がある成分で肌を守ったり、皮脂と混ざり合うことで天然のうるおいバリアを作ったりする役割があります。逆に、汗をかかないと肌が乾燥してしまい、バリア機能が低下する恐れもあります※3。積極的に汗をかく習慣をつくることで、皮脂分泌が促され、保湿力の向上が期待できます。岩盤浴を利用した後に「肌がしっとりする」と感じる人も多いようです。
疲労回復・リラックス効果
体をじんわり温めると血管が広がり、副交感神経の活動が優位な状態になります。これは、心身ともにリラックスできている状態で、筋肉などの緊張も緩和されるため疲労回復効果も感じられます。さらに、自律神経が整うことで、ストレス軽減につながる効果も期待できるでしょう。睡眠の質改善を実感する人もいるようです。
岩盤浴を続けても意味がないと言われる理由
岩盤浴には良い効果が期待できるという人もいれば、「続けても意味がない」という意見も見られます。ポジティブな効果だけでなく、ネガティブな意見が出るのはなぜなのでしょうか。ここでは、岩盤浴が誤解されがちなポイントを解説します。
汗=デトックスではない
たくさん汗をかくと、体内に溜まった老廃物もたくさん排出されたような気になりますが、実は汗による老廃物排出は限定的です。汗の成分は99%が水で、残りのわずか1%に尿素やアンモニア、乳酸などの電解質が含まれている程度です※4。実際には、多くの老廃物は便などから排出されるとされています。「汗をかいた=体内が浄化された」とは言い切れないため、「岩盤浴でデトックスした」という言葉に違和感を覚える人もいるのでしょう。
カロリー消費はそこまで多くない
岩盤浴単体での消費カロリーは、そこまで大きくありません。岩盤浴後に体重計に乗ると軽くなっているため「痩せた!」と感じるかもしれませんが、これは体の水分が抜けただけで、体脂肪が落ちたわけではありません。単純なカロリー消費でいえば、同じ時間で運動した方が確実に痩せられるでしょう。岩盤浴は、運動と組み合わせて初めてダイエット効果が出やすいといえます。「入っただけで痩せる」などの、過度な期待は禁物です。
続けないと効果を感じにくい
たった一度入っただけ、などの単発利用では、岩盤浴による体の変化はほとんど実感できないといえます。汗をかきやすくなる、基礎代謝を上げる、などの体質改善効果は、岩盤浴を継続しなければ得ることはできません。そのため、短期利用者の目線では「岩盤浴に入っても意味がない」「良い効果があるなんて大袈裟だ」と感じやすいのかもしれません。
岩盤浴の効果を感じるまでの期間の目安

前述の通り、岩盤浴は短期的な利用では効果を感じづらく、体の変化を感じるためには継続して行う必要があります。一体どれくらい続ければ効果を感じやすくなるのか、ここでは続ける期間と得られる変化の目安を説明します。
1回~数回ではリラックス効果が中心
短期利用では効果を感じにくいとはいっても、発汗効果は初回から多くの人が実感できます。特にデスクワークの人などの場合は、日頃にはない大量の発汗を経験することで、スッキリ感を感じやすいといえるでしょう。また、温まっている間は一時的な血行改善や疲労回復が得られます。これらの効果は一度の利用でも十分に感じることができます。
2週間~1ヶ月で体の変化を感じやすい
慢性的な冷えに悩んでいる人は、たとえ暑い季節でも手足などの末端には常に冷えを感じています。体内から温める岩盤浴は、末端まで血行が行き渡りやすい状態を作り、冷えやむくみ緩和に効果的です。これらの悩みが緩和されはじめるのが2週間~1ヶ月前後だとされています。継続することによって体が温まりやすくなり、血行不良による悩みの軽減を実感しやすくなります。
1ヶ月以上で体質改善の実感が出る
さらに岩盤浴を行う習慣を続けていると、めぐりアップや代謝アップ、肌状態の変化を感じやすくなるとされています。体質が変わり、健康面や美容面において様々な変化を感じることができるでしょう。このように、岩盤浴での変化を実感するためには、継続が最も重要なポイントだといえます。
岩盤浴を続ける頻度の目安とは

何事もやり過ぎるのは禁物です。早く体質を変えたいからといって、毎日岩盤浴を行うのはよくありません。大切なのは、適切な頻度で無理なく長く続けることです。ここでは、岩盤浴を続ける頻度の目安について解説します。
週1~2回が基本
多くの人は自宅で岩盤浴ができないため、最寄りの温浴施設などに行く必要があるでしょう。施設に通うには時間もお金もかかります。無理なく続けるためには、週1~2回を目安として考えるとよいでしょう。体への負担はもちろん、時間やお金の負担もそこまで多くならないので継続しやすく、効果も感じやすい頻度だといえます。いくら健康や美容のためとはいえ、無理をしてしまっては本末転倒です。ストレスや負担がなく、コツコツと長く続けることが最も重要だといえます。
通いすぎは逆効果になることもある
心身の疲労回復のために岩盤浴に行っているはずが、岩盤浴を利用し終わった後に「なんだか疲れた」と感じた経験はありませんか?これは、一時的な脱水状態やミネラル不足になってしまうためだとされています。特に、普段あまり発汗しない人は、体が急激な変化に驚いてしまい強く疲労を感じることもあるようです。また、発汗して温度調整する時は、自律神経が働くため体力消耗につながるともいわれています。頻度が高すぎると疲労感につながる可能性があるため、疲れを感じない程度での利用を心がけましょう。
岩盤浴を続ける際の注意点とは
岩盤浴は大量に汗をかくため、脱水状態やミネラル不足の状態に陥る可能性があります。大切なのは岩盤浴の特徴を知り、正しく活用することです。ここでは、岩盤浴を安全に続けるためのポイントを解説します。
水分補給を必ず行う
岩盤浴では、大量に汗をかくため脱水症状に陥ってしまうリスクがあります。体質や体格によって発汗量は異なりますが、岩盤浴利用者の平均発汗量は1回あたり約500mLを超えるという説もあるほどです※5。脱水状態が続くと、めまいや立ちくらみ、疲労感などの影響が出てしまいます。そのような症状を引き起こさないために、入浴前後・途中でこまめな水分補給を欠かさず行いましょう。
体調が悪いときは無理しない
体力が低下しているときの急激な温度変化は、体への負担が大きくなります。特に、めまいや不調がある場合は利用を控えるべきだといえるでしょう。また、サウナと同じように飲酒後の利用も厳禁です。普段以上に脱水症状などを引き起こしやすくなるため、岩盤浴は健康な状態の時だけ利用するようにしましょう。
長時間の入りすぎに注意
長く入っていれば、その分たくさん汗をかけるため、つい長時間頑張って入り続けてしまう人がいます。しかし、長時間の利用は体への負担となるほか、脱水症状などのリスクも高めてしまいます。健康的に利用するためには適度な時間で区切ることが重要です。無理な利用は逆効果になる可能性があるため、長時間の利用は避けましょう。
岩盤浴の石による効果の違いとは

岩盤浴とは、温めた天然鉱石の上に横たわる温浴方法です。使用される石は各施設によって異なりますが、その石の種類によって発汗のしやすさや温まり方に違いがあります。石ごとに遠赤外線の放出特性や含有成分が異なるため、体感にも差が出るのが岩盤浴ならではの特徴だといえるでしょう。目的に応じて石の種類を選ぶことで、より満足度の高い岩盤浴体験につながります。
ブラックシリカ
ブラックシリカとは、海底に溜まった珪藻類が固まる過程で黒鉛も含んだ鉱物です。北海道の上ノ国鉱山など、ごく一部の地域でしか産出されない希少な鉱石だとされています※6。遠赤外線の放出量が多く、体を芯から温めやすい石なので、発汗を促しやすく代謝を高めたい人に向いているといえるでしょう。しっかり汗をかきたい人に人気の高い石のひとつです。
トルマリン
トルマリンは和名で電気石と呼ばれ、加熱によってチリや灰を吸い付ける効果が知られています※7。その際、微弱電流やマイナスイオンを発生するとされているため、岩盤浴で温めて利用することにより血行をサポートしながらリラックスしやすい環境づくりができるとされています。温まりながらリフレッシュしたい人に適した石だといえるでしょう。
ゲルマニウム
ゲルマニウムとは非金属と金属の中間的な性質を持つレアメタルの一種で、電気を通したり通さなくする半導体の性質を持つことが知られています※8。ゲルマニウムを含む石は、発汗を促しやすい特徴があり、汗とともに老廃物の排出をサポートする目的で多く用いられています。短時間でもしっかり汗をかきたい人に向いている石です。
麦飯石
麦飯石とは石英斑岩の一種で、見た目が麦飯に似ていることから麦飯石と呼ばれています。多孔質構造でミネラルを豊富に含み、古くから漢方薬として使用されてきました※9。ミネラルが豊富なため、比較的やわらかい温まり方が特徴とされています。肌のコンディションを整えたい人や、長時間ゆっくり入りたい人に向いており、初心者にも取り入れやすい石として多く利用されています。
岩盤浴とサウナの違いとは?

体を温めて発汗を促すものといえば、岩盤浴ではなくサウナを思い浮かべる人もいるかもしれません。岩盤浴とサウナはどちらも体を温めますが、仕組みや体への影響が異なるため、目的に応じて使い分けることが重要です。違いを理解することで、自分に合った使い方を選びやすくなるでしょう。
温まり方の違い(遠赤外線 or 高温)
岩盤浴が遠赤外線で体の内側からじんわり温めるのに対して、サウナは高温環境で一気に体温を上げます。そのため、体への負担は岩盤浴の方が比較的少ない傾向にあるといえるでしょう。
発汗の特徴の違い
じんわりと温めながら発汗を促す岩盤浴は、皮脂を含むサラサラした汗が出やすくなっています。一方でサウナは短時間で大量の汗をかくため、汗腺から吹き出すベタベタとした汗をかきやすいとされています。発汗の質とスピードには大きな違いがあります。
リラックス効果の違い
岩盤浴は副交感神経が優位になりやすいためリラックス効果が高く、心身ともにゆっくりとリフレッシュしたい人に向いています。一方でサウナは交感神経も刺激されるため爽快感や覚醒感が強く、利用し終わった後にサッパリできる点が魅力です。利用後の感覚が異なるため、目的によって選ぶのがよいでしょう。
継続しやすさの違い
低温でじっくりと温める岩盤浴は、体への負担が少なく長時間利用しやすいといえます。一方でサウナは体力消耗が大きく、長く利用するためには慣れが必要です。初心者や長く継続することが目的の人は、岩盤浴が向いているかもしれません。

このように、岩盤浴は短期的な利用では体質改善効果は得られませんが、継続することで体のめぐりやリラックス効果を感じやすくなるといえます。一方で即効性やダイエット効果を過度に期待するのは適切ではありません。長期的な健康や美容を目的として利用するならば、無理のない範囲でコツコツと長く続けることを心がけましょう。正しい頻度と方法で続けて、嬉しい実感を手に入れましょう。
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参考文献
- ※1:株式会社 船谷電気商会「岩盤浴の歴史」
- ※2:横山医院「低体温による基礎代謝低下の改善から得られるダイエット効果」
- ※3:iniks「汗をかくことで美肌に導く!?汗を味方につけるスキンケアポイント」
- ※4:甲府昭和形成外科クリニック「「汗のにおい」の正体とは?~エクリン汗腺と生活習慣の関係~」
- ※5:竜王ラドン温泉「温泉と岩盤浴の効果と正しい入り方を徹底解説」
- ※6:加茂繊維 株式会社「BSファインとは」
- ※7:TECH-MAG「No.36 鉱物愛が生んだエレクトロニクス素子」
- ※8:アサイゲルマニウム「ゲルマニウムって何?」
- ※9:アクアリウム情報サイト トロピカ「麦飯石(ばくはんせき)は水を綺麗にするって本当?? 種類や効果を解説」
福岡県福岡市在住。広告制作会社勤務の後、自ら制作会社を立ち上げ広告制作から記事執筆、ディレクションなど幅広い業務に携わる。食品をはじめ美容成分や化粧品、雑貨、建築など、各業界の専門家に取材しながら、紙やWEBなど様々な媒体でライティングを行い、年間100件以上の記事を執筆する。
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