WaterOneコラム
コンビニエンスストアやスーパーなどで見かける「ミネラルウォーター」。水道水と一体何が違うの?自然の水をそのまま汲んできたものなの?など、ミネラルウォーターの定義が気になっている方もいるのではないでしょうか。しかも、ミネラルウォーターの中にもナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターなどの種類があることをご存知ですか?この記事では、身近なのに意外と知らないミネラルウォーターと水道水の違いや、ミネラルウォーターの種類についてご紹介します。
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ミネラルウォーターの定義
食品衛生法における飲み物は、
- すべての飲み物:飲料水(清涼飲料水・ミネラルウォーター類含む)
- 飲料水:乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除くアルコール分1%未満の飲料(飲料水含む)
- ミネラルウォーター類:水のみを原料とする清涼飲料水
と分類されています。
つまり、ミネラルウォーターは水のみを原料として作られる飲み物のこと。この中には、二酸化炭素(炭酸)を注入したものや、カルシウム等ミネラルを添加したものも含まれています。つまり、100%天然由来のものだけがミネラルウォーターというわけではなく、水のみが原料であれば成分等を添加したものでもミネラルウォーターという分類になるのです※1。ミネラルウォーターの原水は主に地下水で、地下水が地表に湧出したものを採水して使われます。地下水にも種類があり、浅井戸からポンプで汲み上げた「浅井戸水」、自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、又は温泉第二条に規定される溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水のうち飲用適の「温泉水」などがあります。地下水などの原水を汲み上げた後は、ろ過や加熱などで除菌・殺菌を行い、品質に問題ないことが確かめられてからボトリングが行われ、ミネラルウォーターとして店頭に並びます。
ナチュラルウォーターなど、他の品名表示との違い
ミネラルウォーターとして販売されているものならばどれも同じだと思ってしまいがちですが、実は、ミネラルウォーターの中にも種類があります。ミネラルウォーターのペットボトルを購入した際、ラベルの商品名称を確認してみてください。商品によって「ナチュラルウォーター」だったり、「ナチュラルミネラルウォーター」だったりという違いがあるはずです。それぞれ明確な定義があり、農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」によると、
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿やろ過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないものを指します。
ナチュラルウォーターの中でも、地下でミネラルが溶け込んだ水を指します。処理方法はナチュラルウォーターと同じく、沈殿やろ過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行いません。
ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質安定のためにミネラル調整や複数の水源からの混合が行われるなど、人工的に調整を行ったもの。処理方法は沈澱やろ過のほか、加熱殺菌や紫外線殺菌なども含まれます。
と定められています※1。
水道水との違い
ミネラルウォーターと水道水は、まず原水が異なります。ミネラルウォーターが主に地下水を原水としているのに対して、水道水は河川やダムなどの地表水を原水としており、浄水場で処理されてから供給されます。地下水は地表に降り注いだ雨や雪がゆっくりと時間をかけて岩や土の間を通り、自然のミネラルがしっかりと溶け込んだもの。ミネラルウォーターの方がミネラルを多く含んでいるため、水道水よりもおいしさを感じやすいといわれています。
また、安全基準も異なります。水道水は「水道法」に基づく厳格な基準が設けられており、51項目の検査が義務付けられています。一方、ミネラルウォーターは「食品衛生法」に基づいて殺菌処理を行うなど、異なる基準が適用されているのです。そのため、ミネラルウォーターには残留塩素がありません。水道水は、塩素消毒を行うため残留塩素が含まれており、独特のにおい(塩素臭・カルキ臭)が気になるという人もいます。しかし、塩素消毒は水道水の品質を保つために欠かせないもの。残留塩素があるからこそ、水道水はしばらく置いていても雑菌が繁殖することはありません。安心して長く使えるよう、水道水は敢えて残留塩素を残しているのです※2。
ミネラルウォーターの安全性
水道水ほどの厳格な基準がないため、ミネラルウォーターは安全でないかというと、そうではありません。基準を定めている法律が異なるだけで、ミネラルウォーターは日本の食品衛生法に基づく厳格な基準によって品質をチェックしています。チェック項目は、殺菌・除菌を行う場合は39項目、行わない場合は14項目。水道水よりもチェック項目は少ないですが、一般細菌やカドミウム及びその化合物、重金属類などに対して、きちんとチェックを行い、合格したものだけが店頭に並んでいます。また自治体によっては、流通しているミネラルウォーターが成分規格に適合しているかを確認するため定期的に検査を行うこともあるそうです※3。製造工程でしっかりと問題ないか確認するのはもちろん、定期的な検査も行うことで安全性を確保しているといえます。
水道水とミネラルウォーターの使い分け
このように、水道水とミネラルウォーターでは様々な違いがあることがわかりました。では、一体どんな時に水道水を使い、どんな時にミネラルウォーターを使えば良いのでしょうか。生活用水はほとんどの人が水道水で行うため省きますが、飲用するにはどちらの水がいいのか、料理の場合は?氷を作る時は?考え始めると、どちらがいいか迷ってしまいますよね。そこで、それぞれの用途に合わせたおすすめの水をご紹介します。
飲用
【ミネラルウォーター推奨】日常的な水分補給や外出先での飲料水としては、水道水よりもミネラルウォーターの方がおすすめです。日本のミネラルウォーターは体にやさしい軟水が多いため、口当たりがまろやかでおいしく飲めるうえ、胃腸に優しく、消化器官が未発達な赤ちゃんや消化器系が弱い人にも適しています。外出先での水分補給にも、もちろんミネラルウォーターがおすすめ。外出先では手洗い場やトイレなどにしか水道がなく、そもそも飲用のための水道水ではありません。なかには、「飲まないでください」と注意書きがあるところもあるでしょう。その点、ミネラルウォーターはペットボトルで手軽に購入でき、すぐに飲むことができます。特に観光地などを訪れた際は、ご当地のミネラルウォーターと出会うことも。飲用には、おいしいうえに体にもやさしいミネラルウォーターを選ぶと良いでしょう。
料理
【ミネラルウォーター推奨】和食や米炊きには、軟水のミネラルウォーターが適しています。特に、米を炊く際は、軟水を使用することでふっくらツヤツヤのご飯が炊き上がりますよ。また、硬水に比べてカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが少ない軟水は、素材の旨みや味わいをしっかり引き出してくれるという特徴があります。そのため、昆布やかつお節から出汁を取る際にも軟水がぴったり。今まで水道水で行っていた調理を軟水に変えることで、味わいがより深くなるかもしれませんよ。また、洋食や煮込み料理には硬水のミネラルウォーターを使うのがおすすめ。ヨーロッパは日常的に硬水を使っているため、ヨーロッパの料理は硬水の方が合うレシピになっているのです。硬水でパスタを茹でるとコシが出やすく、煮込み料理では素材の臭みを取り除く効果があるので、ぜひ一度試してみてください。
服薬時やうがい
服薬:【軟水の水道水またはミネラルウォーター推奨】服薬に関しては、水道水でもミネラルウォーターでも問題ありません。日本の水道水は軟水で、ミネラル含有量が少なく、薬の成分に大きな影響を与えないからです。ただし、ミネラルウォーターでも硬水は避けるようにしましょう。硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムが、一部の薬剤の吸収に影響を与える可能性があります。服薬は水道水もしくは軟水のミネラルウォーターで行いましょう。
うがい【水道水推奨】: 京都大学保健管理センターの検証によると、風邪の予防には水道水でうがいすることが効果的であることが確かめられています※4。なんと、市販のうがい薬でうがいするよりも、水道水の方が風邪予防効果は高いことが確認されています。歯磨き時などは、積極的に水道水でうがいを行っていきたいですね。
氷作り
【水道水推奨】:冷蔵庫には自動で氷を作る機能がありますが、以前は水道水以外をNGとしているメーカーも多くありました。それは、取り外せない給水タンクや給水パイプから雑菌が入り込むおそれがあったためです。残留塩素が含まれている水道水であれば、製氷機内で雑菌が繁殖しにくく清潔な氷を作ることができます。最近では、給水タンクなどの取り外しが可能になり、ミネラルウォーターでの製氷も可能になったようですが、それでも安全性を考えれば水道水での氷作りがベター。水道水で作った氷の方が、長く日持ちもするでしょう。水自体が腐ることはありませんが、水に含まれている不純物は腐ることがあります。地下水を原水とするミネラルウォーターには微量の成分が含まれている可能性があるため、安全性の観点から水道水で作る方が推奨されています。
ミネラルウォーターは、食品衛生法に基づき「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義されている水だということがわかりましたね。水道水とは明確な違いがあるため、飲用や調理の水にはミネラルウォーターがおすすめです。日常的にミネラルウォーターを利用するなら、ウォーターサーバーを利用すると便利。ウォーターサーバー『ウォーターワン』は、日本人にあった軟水の天然水を提供しているので、ぜひ検討してみてくださいね。
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参考文献